寝ようとしたらエアコンからカタカタと音がする。冷房中に「ポコポコ」と水の音が聞こえる。室外機の音が夜になると気になる——エアコンの音の悩みは、音そのものの問題と、賃貸ならではの「どこまで自分で触っていいのか」という問題が重なります。

結論から言うと、エアコンの音は「正常な動作音/変化が出た音/隣室・階下への音」の3系統に分けて、0円で確認できる項目から順に試すのが基本です。備え付けエアコンは貸主の財産なので、分解や修理には手を出さず、「自分でできる確認」と「管理会社への相談」を切り分けるだけで、多くの悩みは整理できます [1][4]。

まずお伝えしておきたいこと 本記事で扱うのは「エアコンの音の切り分けと、賃貸での進め方」であって、修理の断定や、音を完全になくすことをお約束するものではありません。備え付けエアコンの分解・修理・部品交換は本記事の対象外です。作業は原状回復が前提で、賃貸物件では事前に貸主・管理会社への確認を行ってください。

目次

  1. 結論:今日からできる3つ
  2. エアコンの音対策の優先度早見表
  3. 基本編:エアコンの音は3系統
  4. 手段別:確認/手入れ/相談の準備
  5. 商材比較表
  6. 実務Tips:失敗回避と原状回復の確認手順
  7. 最終チェックリスト
  8. FAQ
  9. まとめ

結論:今日からできる3つ

細かい理屈はあとにして、まずは「今日から着手しやすい3つ」を示します。いずれも費用をほとんどかけずに始められるものです。

  1. 音種と発生箇所をメモする:室内機か室外機か、どんな音(カタカタ/シュルシュル/ポコポコ/ブーン等)か、いつ鳴るかを記録します。メーカーFAQは音の種類ごとに「正常な音」と「点検の目安」を公開しており [1]、音種のメモが切り分けの出発点になります。
  2. フィルター・パネルの取り付け状態を確認する:運転中のカタカタ音は、フロントパネルやエアフィルターの取り付け不良の可能性があると案内されています [2]。取り付け直しは道具が要らず、最初に試す価値が高い確認です。
  3. 改善しなければ自分で触らず管理会社へ:備え付けエアコンは貸主の財産であり、修理・交換の必要性が出た場合もまず管理会社に連絡するのが基本です [4]。経年劣化由来の修理・交換は貸主負担が原則とされます [4][5]。

これらは「これ一つで音が消える」ものではありません。「音の種類を切り分けて、自分でできる範囲と相談すべき範囲を分ける」のが本記事の考え方です。

エアコンの音対策の優先度早見表

どこから手を付けるか迷ったときの目安です。「手間/手応え(目安)/賃貸OK」の3軸で整理しました。

状況最初の一手手間手応え(目安)賃貸OKこんな人に
電源ON直後のカタカタ正常な電磁弁の音と切り分ける(待機)◎◎◎音が気になって仕方ない人
運転中のカタカタが続くフィルター・パネルの取り付け直し [2]◎○◎手入れをしていない人
ポコポコ・ボコボコの水音換気扇を止める・窓を少し開ける [3]◎○◎気密性の高い部屋に住む人
音が急に大きくなった・止まらない室外機の問題の可能性→管理会社へ [1][4]○◎◎(相談は)備え付けエアコンの人
室外機の音が夜気になる発生時刻を記録して相談の準備 [1]○○◎(相談は)室外機が隣戸側・寝室側の人
隣室・階下のエアコン音が聞こえる入口の隙間と配置の見直し [6]○○◎木造・気密性の低い物件の人

「手応え(目安)」は住環境や機種によって変わります。「確実な効果」を意味するものではなく、「変化を感じやすいかもしれない」という目安として読んでください。

基本編:エアコンの音は3系統

エアコンの音を「どこで・どんな音か」で分けると、対策の方向が見えてきます。

正常な動作音(故障ではない音)

メーカーFAQは、運転中に聞こえる音の多くを「正常な動作音」として分類しています [1]。電源投入時の「カタカタ」は室外機の電磁弁の動作音、「シュルシュル」「サー」は冷媒が配管を流れる音、「プシュー」は冷房暖房の切り換え弁の音とされます [1]。また、気温が高い日・低い日は設定温度との差が大きくなるため、室外機の音が大きくなりやすいとも案内されています [1]。「音がする=故障」ではないことを最初に切り分けるのが、無用な不安と無駄な業者手配を防ぐ第一歩です。

変化が出た音(点検相談のサイン)

「該当しない異音や、運転音が急に大きくなり止まらなくなった場合は室外機に問題の可能性がある」と案内されています [1]。音種が変わった・大きさが変化した・止まらない——こうした変化が、点検を相談すべきサインです。フィルター・パネルの取り付け直しで改善しない場合は、販売店や修理相談窓口への点検相談が案内されており [2]、賃貸の備え付け機種ではその一歩を管理会社経由で行います [4]。勝手に分解・部品交換をするのは、過失とみなされるリスクがあるため避けます [4][5]。

隣室・階下・室外機まわりの音

音の出入りには方向があります。気密性の高い集合住宅では、換気扇の使用や強風の日の気圧差でドレンホースの水の流れが悪くなり、「ポコポコ」「ボコボコ」といった水音が室内機から聞こえることがあります [3]。逆に、自分の部屋が隣室・階下のエアコン音(室外機のブーン、配管まわりの水音)に困る側になることもあります。国交省は、家庭で発する音がどのように周りに伝わるか・どんな工夫で軽減できるかを「音と向き合うためのハンドブック」として公表しています [6]。室外機や配管まわりの設備は勝手に動かせないため、困る側は「入口の隙間」と「配置」で整え、出す側は「時間帯」と「相談」で折り合いをつけるのが現実的な流れです。

手段別:確認/手入れ/相談の準備

0円でできる:確認と切り分け(最初に試す)

  • 音種と時刻のメモ:室内機・室外機のどちらか、音の種類、発生する時刻を記録します。「いつ・どの音が・どう変化したか」のメモは、管理会社への相談を具体的にする材料になります [1]。
  • ポコポコ音の気圧切り分け:換気扇を止める・窓を少し開けるで音が変化するかを確認します。気密性の高い集合住宅では気圧差が原因になることが案内されており、故障ではなく住環境条件に起因する音の可能性があります [3]。
  • 室外機の音と気温・設定温度の関係を確認する:設定温度との差が大きい日は室外機の音が大きくなりやすいとされます [1]。設定温度を緩めて音が変化するかを見るだけで、正常音と異音の切り分けの手がかりになります。

低コストでできる:手入れの範囲

  • フィルター・パネルの取り付け直し:運転中のカタカタ音は、フロントパネルやエアフィルターの取り付け不良の可能性があると案内されています。電源を切って外し、まっすぐ取り付け直すだけで確認できます [2]。
  • フィルターのほこり掃除:備え付けエアコンでも「フィルターのほこり掃除などは自分で適宜行う」のが案内されている範囲です [4]。掃除機でホコリを吸うだけでよく、水洗いの可否は機種の取扱説明書で確認します。
  • 費用のかかる業者介入はしない:業者によるクリーニングや修理は、必ず事前に管理会社へ連絡してからとするのが賃貸の基本です [4]。

敷く・置く:困る側の入口対策

  • 入口の隙間を整える:隣室・外の音は窓やドアの隙間から入りやすいとされます。隙間テープの選び方・貼り方はドア隙間テープの記事、窓まわりの整え方は窓の形状別防音の記事で詳しく扱っています。
  • ベッド・家具の配置を見直す:寝る位置の頭が隣戸・室外機側の壁だと、音の聞こえ方に差が出やすいとされます。壁からわずかに離す・背の高い家具を壁側に置くなどの配置の工夫は、寝室防音の基本手順で整理しています。

商材比較表

商材(例)主なねらい手応え(目安)目安価格帯どこに
フィルター掃除(掃除機・柔らかいブラシ)手入れの範囲・カタカタ音の確認○0円〜数百円室内機
隙間テープ入口の空気音の軽減○約300〜1,500円窓・ドア
ドラフトストッパードア下の隙間○約500〜2,000円室のドア下
厚手カーテン窓から入る音の聞こえ方○約3,000〜15,000円窓
ラグ・カーペット床からの伝わりの聞こえ方○約3,000〜15,000円床

価格は2026年10月時点・主要ECと100円ショップ・ホームセンターの調査に基づく目安です。実際の仕様・価格は各店舗でご確認ください。備え付けエアコン本体への費用負担は、原則として貸主・借主の負担区分に従います [4][5]。

実務Tips:失敗回避と原状回復の確認手順

失敗例と回避策

失敗例原因回避策
音がするからと自分で分解した備え付けエアコンは貸主の財産触るのはフィルター・パネルまで。それ以外は管理会社へ [4]
電磁弁の「カタカタ」を故障と決めつけた正常な動作音だったメーカーFAQの音種分類で先に切り分ける [1]
業者を勝手に手配した事前連絡がなかったクリーニング・修理は必ず事前連絡が基本 [4]
室外機の音を深夜に直接注意した相談の前段階でこう着しかねない記録を取ってから管理会社経由で相談する
ポコポコ音を漏水と勘違いした気密性の高い部屋の気圧差の可能性換気扇を止める・窓を開けるで変化を確認 [3]

原状回復の確認手順(施工前・施工後)

  1. 施工前:備え付けエアコンか自分で設置したものかを確認する。備え付けなら管理会社の許可・連絡が前提 [4]。
  2. 施工前:フィルター掃除以外の作業(設置位置の変更・部品交換等)は行わないと決めておく。
  3. 施工後:フィルター・パネルを確実に取り付け直し、運転音・風量に変化がないか確認する。
  4. 退去時:自分で設置したエアコンがある場合は契約書・特約の取り扱いを確認し、壁の穴・配管まわりの状態を入居時の写真と見比べる [5]。

最終チェックリスト

  • 音が室内機か室外機かを確認したか
  • 音の種類(カタカタ/シュルシュル/ポコポコ等)と発生時刻をメモしたか
  • メーカーFAQの音種分類で「正常な音」かどうかを確認したか
  • フィルター・パネルの取り付け直しを試したか
  • ポコポコ音のとき、換気扇を止める・窓を開けるで変化を確認したか
  • 備え付けエアコンかを確認し、修理・クリーニングは事前連絡の予定か
  • 相談時の材料(メモ・録音・発生日時)を1週間分そろえたか

この記事について

本記事は医療・法律・不動産の専門助言ではありません。睡眠や心身の不調に関するお悩みは、医師・専門機関にご相談ください。紹介する商材・手順は一般的な情報であり、効果は住環境や物件によって異なります。賃貸物件での施工・DIYにあたっては、事前に管理会社・貸主の許可と原状回復の確認を行ってください。

FAQ

Q1. 電源を入れた直後の「カタカタ」は故障ですか? メーカーFAQでは室外機の電磁弁の動作音として「構造上必要な音であり、故障ではありません」と案内されています [2]。運転中に続くカタカタは別で、フィルター・パネルの取り付け状態の確認が案内されています。

Q2. フィルター掃除はしてもいいのですか? 備え付けエアコンでも「フィルターのほこり掃除などは自分で適宜行う」のが案内されている範囲です [4]。フィルター・パネルの取り付け直しも確認できる範囲ですが、それ以上の分解はしないでください [2]。

Q3. 修理・交換の費用はどちらの負担? 備え付けエアコンは貸主の財産で、経年劣化による修理・交換は貸主負担が原則とされます。入居者の過失で壊した場合は入居者負担になるのが一般的と案内されています [4]。「借り手に故意や過失がなければ貸し手が負担する」という整理が設備一般にも紹介されています [7]。契約書に定めがあればそれに従います [4][5]。

Q4. 室外機の音が夜気になるのですが、隣人に直接言ってもいいですか? 直接の注意はこう着を招きかねません。発生時刻・音の種類を記録したうえで管理会社経由で相談するのが、賃貸での基本の流れです [4]。室外機の音は気温と設定温度の差で大きくなりやすいという案内もあり [1]、記録には気温のメモも役立ちます。

Q5. 「ポコポコ」と水の音が止まりません。漏水ですか? 気密性の高い集合住宅では、気圧差でドレンホースの結露水が流れにくくなり「ポコポコ」「ボコボコ」と聞こえることが案内されています。換気扇を止める・窓を少し開けるで変化を確認し、改善しない場合は点検を相談してください [3]。

Q6. それでも音が気になる場合は? 換気扇まわりの音なら換気扇の異音の記事、給湯器の音なら給湯器の音の記事と切り分けができます。入口の空気音は隙間テープで整え、生活音の許容範囲の考え方は生活音の記事で整理しています。

まとめ

  • エアコンの音は「正常な動作音/変化が出た音/隣室・階下への音」の3系統に分けて考える
  • 最初の一歩は0円の音種メモとフィルター・パネルの取り付け直し。切り分けてから動く
  • 備え付けエアコンは貸主の財産。分解・修理・業者手配は事前連絡が基本
  • 経年劣化由来の修理・交換は貸主負担原則。過失分のみ借主負担の考え方
  • 隣室・階下の音が気になる側は、隙間テープ・配置の見直しで入口から整える

まずは音の種類と時刻をメモして、フィルターとパネルを確認する——その2つから始めてみてください。

出典・参考

  1. 日立 エアコン よくあるご質問「運転音・異音」カテゴリ(音種別の正常音・点検目安の分類)
  2. 日立「エアコン(室内機)からカタカタと音がします。」(電磁弁の音・パネルとフィルターの取り付け直し)
  3. 日立「エアコンの室内機から『ポコポコ』という音が出ます。」(気密性の高い集合住宅での水音と対処)
  4. SUUMO「賃貸でエアコンを交換したい・修理したい・取り付けたいときのやることリストとよくある質問」(備え付けエアコンは貸主の財産・負担原則・事前連絡)
  5. 国土交通省「『原状回復をめぐるトラブルとガイドライン』について」(経年変化・通常の損耗は賃料に含まれる考え方)
  6. 国土交通省「民間賃貸住宅」(「音と向き合うためのハンドブック」の公表)
  7. マイナビニュース「エアコンが故障! 賃貸住宅備え付けの設備、修理費用は誰の負担?」(故意・過失がなければ貸し手負担の考え方)

本記事の内容は一般的な情報であり、医療・法律・不動産の専門助言ではありません。設備の状態や負担の区分は契約内容・物件によって異なります。最終判断は管理会社・貸主への確認のうえ行ってください。